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資源ドットネット 人口急増問題

5分でわかる人口問題~私たちが知らなければならない人口問題の基本~

毎日20万人。1年間でドイツの人口と同じ数だけ地球の人口も増え続けている。

地球の資源や環境問題を語る際に念頭に置いておかなければならないもの。それは人口増加問題です。

人類の繁栄と言うのは私たちにとってとても良い事ですが、同時に解決していかなければならない問題も増え続けていくという事になります。地球上の限りある資源を人類の未来のためにどのように有効利用していくべきかという議論は世界中で行われています。まず私たちが知らなければならない事としてこの人口の急増問題があります。毎日20万人以上、1年間で8000万人ずつ人口増加が起こっています。

資源ドットネット 人口急増問題

1950年代には25億人、2050年までには90億人超へ

毎年ドイツの人口8千万人が増えて行っている地球の人口。1950年時点で25億人程度だった人口が現在(2020年10月)では77億人と3倍になっています。このペースで増えていくと2050年には97億人を超えてくるといわれています。人口が増えるにつれて考えなければならないのは、その人が暮らしていく為の資源をどのように確保していくかという事です。そして、その資源を確保するために人々は地球上でどのような行動をとっているのかを考えていくべきです。

人口増加→経済の発展→生活水準の向上→消費の拡大が起こすもの

人口が増加することにより多くの人々が経済活動を行うようになり、経済も急速に発展していきます。1950年から比べると現在の世界経済は10倍に拡大していて、それは人間の生活水準の向上につながります。これにより、生きるために必要なだけの資源を利用していた人間は、嗜好に走るようになり、資源やエネルギーを生活必需品以外のものにも利用する用になりました。これにより、資源やエネルギーの消費のスピードが加速し、同時に生活圏を都市化していく事になります。

農村から都市部へ 資源ドットネット

都市部が形成されると、モノが揃い、エネルギーの調達が可能になるため、人々が農村エリアから都市部に移動するようになり、そこで仕事を見つけ、便利な都市部での生活水準を維持していきます。

都市部の生活は農村エリアで暮らす人と比べて資源やエネルギーを沢山消費します。そのため、人口が3倍になっても、世界規模でのエネルギー消費(化石燃料や水)は5倍以上に増加しています。高度な経済活動にはエネルギー消費が更に必要になり、その結果化石燃料の燃焼は二酸化炭素の排出量の増加などにもつながっていきます。さらに都市化による自然破壊や人工物による自然現象の妨害などにより、地球環境は大きく変わりつつあります。

地球環境の変化が起こす生物多様性の減少

人間が生活していく中で食料の確保も重要な問題です。食料需要の増加により農地も拡大され、穀物の生産量も1950年代に比べ4倍以上に拡大しました。それだけでなく漁業の拡大により漁獲量も4倍以上になっています。人間が食糧として過度な捕獲による生態系バランスの崩壊は生物多様性の減少につながっています。これは食糧としての捕獲だけでなく、都市化による自然破壊、エネルギー消費による公害なども影響し、生態系の劣化により多くの種が絶滅の危機にさらされています。

紀元前10,000年前から2016年までの人口推移

次の動画は紀元前10,000年前からの世界の人口推移です。おそらく1万年前には世界人口は数百万人程度で、メキシコエリアに多くの人が生活をしていたとされています。日本では縄文時代といわれています。時間の経過の中で紀元前4000年ごろから急激にインド、中国で人口の増加が始まります。このころは世界の四大文明と呼ばれる、メソポタミア文明、エジプト文明、インダス文明、黄河文明などが起こる少し前のシュメール文明のころです。

その後、1800年ごろ、中国の人口が世界一になるころ位から世界の人口は急激に増加し始め、1900年代中ごろからは急激なカーブで人口爆発が始まり、今もその真っただ中にあると言えます。

たったの6か国で世界人口の半分を占めている

2019年国連が発表している世界の人口ランキング(国連人口部推計人口統計推計人口統計)によれば、1位~10位までは以下の通りです。

  • 1位 中国(14億3378万人)
  • 2位 インド(13億6641万人)
  • 3位 アメリカ(3億2906億人)
  • 4位 インドネシア(2億7062万人)
  • 5位 パキスタン(2億1656万人)
  • 6位 ブラジル(2億1105万人)
  • 7位 ナイジェリア(2億96万人)
  • 8位 バングラデシュ(1億6304万人)
  • 9位 ロシア(1億4587万人)
  • 10位 メキシコ(1億2757万人)

という順位です。ちなみに日本は11位でメキシコに次いで1億2686万人です。6位のブラジルまでの人口を合計すると38億2768万人となり、世界人口がおよそ77億人だとすれば、上位6か国だけで世界人口の半分になっているといえます。1800年はじめ、世界人口が10億人を突破しましたが、220年でおよそ4倍に人口が膨れ上がっています。

人口の増加が著しい国と地域

日本は人口減少に転じていますが、世界の人口は発展途上国を中心に増え続けています。現在最も人口が多い地域としては中国、インドなどをかかえる「アジア」で、このエリアだけでも全体の50%を軽く超えてきます。人口の増加については出生率もありますが、人口の移動などによっても変化します。

人口増加率が最も高い国は中東の「オマーン」です。2019年時点では4975万人の人口ですが、6.2%の人口増加率があり、これは12年で人口が倍になることを意味しています。中東のカタールやクウェートなどでも人口の増加率は高く、またアフリカ大陸では出生率が高い傾向にあるため、アフリカの人口増加も予想されています。

長寿社会も合わさり更なる問題へ

このようにアフリカや中東、ほか発展途上国での高い出生率の中、医療の進歩など様々な要因により世界の人口は増え続けています。先進国では公衆衛生や生活水準の向上、教育の普及により出生率は減少傾向にあるものの、それでも絶対値としての人口は増え続けています。

死因の変化による平均寿命の延び

20世紀当初までの主な死因は細菌やウイルスによる感染症など公衆衛生の悪さによるものが中心でした。しかしながら抗生物質やワクチンの開発によりこれらウイルスへの対抗と生活水準の向上による衛生面の改善や食の変化により、伝染病でなくなる人の数は大幅に減りました。これら医療の発達や健康を意識した生活により世界的に平均寿命が延び、長寿社会となってきました。

長寿社会 資源ネット

出生率が下がっても長寿社会により人口は増加し、エネルギーや食糧問題は地球の問題として残っていきます。この人口問題を解決するか、地球上の資源を有効活用できるイノベーションが生まれなければ、資源は枯渇し、生物多様性が失われ、それはやがて地球と人間の滅亡に繋がってしまいます。

人口問題への取組

このような人口問題へ現在までどのように向き合ってきているのか。人口増加を抑制しようという取り組みが各国で起こっています。賛否がいろいろ別れはするものの、地球上の資源を枯渇させてしまう可能性があるこの問題に対しては何かしらの対策を打たなければなりません。

中国の一人っ子政策

1980年代にはいり、人口が爆発的に増加しているのを受け中国政府は「一人っ子政策」なるものを打ち出し、1夫婦に子ども1人とする法律を制定した。しかしこの政策は社会にとって様々な悪影響を及ぼしました。倫理的にも政治が出生という人間の生態に関わることに関与していることも多くの批判を受け、万が一2人目が生まれた場合、罰金ともとれるような「社会養育費」という社会負担を償わせました。この費用を払いたくないため、戸籍に登録されない子どもも多く現れ、身元不明の子どもが増えてしまいました。

また、このころの子どもたちの事をバーリンホウ(80后)とよび中国でこの一人っ子政策時代に生まれた若者を指す言葉として使われるようになりました。

中国80后 資源ネット

バーリンホウ(80后)のイメージは一人っ子だけに、両親からの愛情を1人で受けて育てられ、争いを知らず、わがままな子が多いという意見も多く聞きます。しかし、その一方で裕福な家庭では子供に対して高度な教育や技能を学ばせるための投資を行ってきたため、今まさに経済、芸能、テクノロジー、スポーツなどあらゆる分野で活躍している多くがバーリンホウであるとも言います。

しかし長寿・高齢化社会を迎える事が計算に入っておらず、少ない若者が増え続ける年金受給者を支える仕組みになると分かり、この政策は現在は廃止されました。それ以前に先にも述べたように社会に対する悪い影響も大きかったことも影響しているようです。

女性の教育が人口爆発に歯止めをかける

アフリカ大陸では女性一人が生む子供の数がとても多い事で知られています。世界一出生率の高いニジェールなどでは、女性一人が平均で7人の子どもを産んでいます。ウガンダやコンゴ共和国などでも平均して5人を超える子供を産むなど、アフリカ大陸は今後も人口増加が進み、それは地域の都市化や生活水準の向上につながっていくでしょう。

しかしながら同時に資源の枯渇、エネルギー不足などにも直面します。また、元々発展途上の国で多くの子どもを抱える家庭は貧困から抜け出せないという現状もあります。このため強制不妊手術や避妊手段を普及させるなど人道的でないような手段もとられてきました。

このような中で最も効果的だったのが「女性への教育」です。発展途上国の女性たちに教育の機会を拡大していくという取り組みを行ったところ、高い教育を受けた女性の出生率が大幅に低くなる傾向にある事が分かりました。教育は男女間の格差を小さくすること効果もあり、社会への進出などにより経済的にも余裕が出てくる傾向にあります。

アフリカの子ども 資源ドットネット

他の惑星への移住

地球の人口増加が進むことは人類の繁栄も意味しています。先述したものは人口増加に歯止めを掛けようという取り組みですが、一方で新しい場所を探す取り組みも行われています。それが他の惑星への移住という選択肢です。奇跡の星といわれている地球の様に、植物や生命にあふれる天体を見つけるか、または地球に近い「火星」に植物を増やし、大気を作る「テラフォーミング」を行う事で人類が資源を獲得し、生活できる環境を長い年月をかけて構築していこうという専門家らの動きもあります。

NASAが進めている火星への移住

現在すでに宇宙には人が住んでいます。地上から400㎞上空を回る「国際宇宙ステーション」にはアメリカ航空宇宙局(NASA)、ロスコスモス(ロシア宇宙開発機構)、ヨーロッパ宇宙機関(eesa)、JAXA(日本宇宙航空研究開発機構)など世界中の宇宙機関から送り込まれた宇宙飛行士が6名常に滞在しています。

アポロ宇宙計画から50年の時を経て、NASAはもう一度月面を目指し、そこに宇宙基地を建設し、そこから火星を目指すという計画を立てています。月面までは384,400㎞。アポロ時代で片道4日ほどかかる長い旅ですが、火星に向かうとなると更に遠く、片道8か月以上かかる事になります。

月面宇宙基地 資源ネット
Image Credit : NASA

現在、NASAを中心に火星探査が活発に行われていて、更に今後も探査機を送り人が住める環境に出来るかどうかを探っていく事でしょう。もし火星が人類が住めるような惑星に改良できるとしても、その環境構築には長い年月がかかります。その間にも地球上では人口増加に拍車がかかり、資源の枯渇が予想されています。

私たち資源ネットでは、これら人口増加に対応できる資源の有効活用などを中心に地球環境での共存を今後も考えていきたいとお思います。

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