ウンチをエネルギーに変える!排泄物の95%が産業処理されていない地域がある現実

ウンチをエネルギーに変える!排泄物の95%が産業処理されていない地域がある現実

ウンチをエネルギーに変える!排泄物の95%が産業処理されていない地域がある現実

ケニアのストリート
ケニアの都市部

日本の総人口に対する割合でみた汚水処理人口普及率は、91.7%(令和元年度末)でした。
3年前の平成28年度末の汚水処理人口普及率は、90.4%と年々上昇しています。

では、世界の様子はどうなのでしょうか。

調べていくと、アフリカのケニアでは、2018年時点で廃棄物の95%は産業処理をされていないという事が分かりました。
ケニアでは、ナイロビなどの都市部では、水洗トイレの普及率は約50%(2016年時点)でしたが、都市部の近くや離れた農村地域では現在でも「フライングトイレ」か「オープン排便」となっています。

フライングトイレ ( flying toilets ) とは何か?

「オープン排便 (open defecation )」は、すぐにイメージできると思いますが、「フライングトイレ( flying toilets )」はイメージできますか?

フライングトイレとは、トイレが近くにない場合などに排泄物をビニール袋に入れて、溝や道端などに捨てる、その袋の事をいいます。(Wikipediaより)

そういった適切に処理されずに廃棄された汚物は、衛生的に悪影響となり健康被害を及ぼします。

しかし、ケニアでは適切に排泄物を処理するためにはコストがかかりすぎるために、95%もの排泄物が適切に処理されていないのが現状となっています。

ケニアの排泄物を処理してリサイクルする衛生施設

排泄物を処理してリサイクルする衛生施設がナイバシャ湖のほとりに存在します。
ここでは、トイレから収集された廃棄物を脱水し、太陽光発電を使用して熱で全ての病原体を殺菌して処理をします。

そして、乾燥させた廃棄物に、木炭ダストや農業廃棄物などのバイオマス残留物を加えて、薪や木炭などの燃料にしています。

この施設は現在3つ目の工場を拡大中とのこと。こういった施設が今後どんどん増えて、アフリカの廃棄物リサイクルが進んで発展していくことは、森林破壊の防止にも十分期待できます。

日本の下水リサイクル率

リサイクル施設

日本の固形分ベースの下水汚泥のリサイクル率は6~7割程度ですが、動物の排泄物は95%が再利用されています。
これは、汚水として処理される廃棄物の中には、人間の排泄物だけではなく、毒性をもつ産業廃棄物も含まれるためです。

衛生施設の不備による経済損失

損失イメージ

衛生施設の不備による経済損失となる主な損失は、感染症などの健康被害、水汚染による漁業生産量の低下、環境や観光産業への影響となっています。

衛生施設の不備による年間一人あたりの経済損失は、健康への被害が一番損失率が高く、東南アジアやアフリカなどの途上国では排水処理率が低いため、その損失は高い傾向にあります。

参考:国土交通省「下水道分野の国際展開に関する現状分析と課題」
https://www.mlit.go.jp/common/001037533.pdf

一人一人が出来ることを考えて実行

私たちが生きている以上、出てしまう廃棄物ですが、適切に処理すればリサイクルできます。
しかし、適切に処理するためにはコストもかかり、特に途上国などでは難しいのが現状です。
途上国、発展途上国に関わらず、私たち一人一人が出来ることをして、無限ではない大切な資源について考えて行動する事が大切です。

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