エチミアジンの大聖堂と教会群ならびにズヴァルトノツの考古遺跡

エチミアジンの大聖堂と教会群ならびにズヴァルトノツの考古遺跡は、アルメニアに位置する世界遺産であり、その豊かな歴史と文化的な重要性から注目されています。

この世界遺産は、アルメニアの首都エレバンから南東に約10キロメートル離れたエチミアジン（エチミアジン大聖堂）という地域にあります。エチミアジンは、301年にキリスト教を国教とした最初の国であるアルメニアにおいて、国教会として建設されました。そのため、エチミアジン大聖堂はアルメニアのキリスト教会の中でも最も古い建築物の一つであり、アルメニアのキリスト教の中心的存在として重要な役割を果たしています。

エチミアジン大聖堂は、十二使徒の一人である聖グレゴリウスが埋葬された場所としても知られており、巡礼者や信者にとって聖地とされています。この大聖堂は、アルメニア独自の建築様式であるアルメニア十字型の平面を持ち、美しい彫刻や装飾で飾られています。また、エチミアジン周辺には、多くの教会や修道院があり、アルメニアのキリスト教の歴史と文化を物語っています。

さらに、世界遺産に含まれるズヴァルトノツの考古遺跡は、エチミアジン大聖堂のすぐ近くに位置しています。ズヴァルトノツは、古代のウルト族（Urartu）の首都であり、紀元前9世紀から6世紀にかけて栄えた都市です。この考古遺跡は、城壁、宮殿、神殿、墓地などの遺構が残されており、ウルト文明の繁栄と歴史を伝えています。

エチミアジンの大聖堂と教会群ならびにズヴァルトノツの考古遺跡は、アルメニアのキリスト教の精神とウルト文明の栄光を結びつけた貴重な遺産です。その美しい建築物と歴史的な遺跡は、世界的な価値を持ち、多くの人々に訪れる価値があります。また、この地域はアルメニアの宗教的な信仰と文化の中心地として、アルメニア人の誇りとアイデンティティの象徴となっています。

2000年にユネスコの世界遺産に登録されました。