ニサのパルティア王国の要塞群

「ニサのパルティア王国の要塞群」とは、トルクメニスタンにあるパルティア王国時代の要塞遺跡で、2007年に世界遺産に登録されました。パルティア王国は、紀元前3世紀から1世紀にかけて現在のイラン、トルクメニスタン、アフガニスタン、パキスタンなどに存在した古代国家です。

「ニサのパルティア王国の要塞群」には、3つの要塞が含まれています。1つは「南の要塞」と呼ばれ、パルティア王国時代に建設されたもので、城壁の高さは13メートルに達します。2つ目は「北の要塞」と呼ばれ、1世紀に建設されたもので、城壁の高さは18メートルに達します。3つ目は「中央の要塞」と呼ばれ、最も古い要塞であり、紀元前3世紀に建設されました。

これらの要塞は、パルティア王国の支配地域の境界を守るために建設されました。南の要塞は、インドや東方の王国からの攻撃から南部のオアシス地帯を守るために、北の要塞は、ノモンハン平原からの攻撃から南部の低地を守るために、中央の要塞は、パルティア王国の首都エクバターナを守るために、それぞれ建設されました。

これらの要塞は、石灰岩を主に使用して建設されており、その堅固な構造と高い技術力が見て取れます。南の要塞は、多数の城門と防御構造物があり、北の要塞は、さまざまな塔や壁の高さの変化、そして中央の要塞は、大量の貯水施設や、城壁の幅を変える工夫など、それぞれ独自の特徴を持っています。

また、これらの要塞は、パルティア王国の軍事的、政治的な力の象徴でもありました。それらは、支配地域の領主や王家の居城としても機能していました。また、古代東方世界における要塞建築の傑作とされています。また、パルティア王国がその文化や歴史、技術的な発展において果たした役割を知るうえで、非常に貴重な遺産であると言えます。